Blue Velvet ☆ 音彩ブログ

As time goes by.~日々の残像~ここは日常のヒトコマを切り取る場所。日々の想いや感じたままの言葉の置き場所。

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天網恢恢 疎にして逃さず 

山口県光市母子殺害事件で、最高裁は上告を棄却し被告(元少年)の死刑が事実上確定した。
本村洋さんの「時間は最良の相談相手だった」という言葉があまりに重い。
時間が解決してくれるなんて言葉よりずっと重みと説得力がある。
ひと言で13年というが、二十歳そこそこから4700日間闘い続けるって想像を絶するほど壮絶極まりない。

当時18歳だった被告は30歳となり、同じ年月を重ねた本村さんも35歳となった。

(以下、長文になります。ここでスルーしたい方はスルーしちゃってください)

幸せな家族が一瞬で不幸のどん底に落とされる。
大病を患い、人生に夢や希望を持つ事を半ば諦めていた本村さんがひとりの女性と出会い学生結婚。
そして授かった命。幸せはある日突然、とある未成年によって破壊された。

未成年の手によって殺害されたのは、最愛の妻弥生さん(当時23歳)、生後11ヶ月の愛娘夕夏ちゃん。

この凶悪事件を通じて、被害者やご遺族の無念を感じ、司法の限界を思い知らされ、
いみじくも少年法や死刑制度に対して考える機会を与えられた。

本村さんは闘い続ける。当初はありもしない嫌疑で警察の厳しい取調べに耐え、メディアの好奇の目にさらされ、
犯人逮捕後は少年法の壁に打ちのめされた。それでも闘いを止めることはなかった。
無期懲役の1審判決後、本村さんは遺族だって、回復しないといけないんです、被害から。人を恨む、憎む、そういう気持ちを乗り越えて、また優しさを取り戻すためには、死ぬほど努力しないといけないんですと声を震わせ、やり場のない怒りをあらわにしていた。
その毅然とした姿がテレビで映されるたびに本村さんに対する応援の気持ち、
そして元少年だった被告が友人に送った手紙が公開されるや被告に怒りが沸いてきた。

劣悪で無茶苦茶な家庭環境で育ったという被告。
同情の余地はあるにせよそれを理由に到底容認できるものではない。
被告のような家庭環境で育った少年だけが何をしても許される人間社会ではないからだ。
私たちが見ていたのは理路整然と闘う本村さんと荒唐無稽な言い訳で逃げようとする被告。
そして被害者及びご遺族の尊厳を蹂躙し、事件を「傷害致死」として認めさせようと主張を繰り返しきた弁護団。

一審、二審の裁判で裁判官は一貫して被告人に反省を求めた。
罪を犯した者には反省は必要だ。
いや、被告人と弁護団は殺人ではなく傷害致死が事実であるとして争ったのだから、
裁判官の前で殺人の罪を反省する陳述や態度は必要ないのだろう。

そもそもこの弁護団において反省という言葉はどれほど重い意味で受け止められていたのか。
没理性としか思えない弁護団に反省の概念は本当にあったのか。
罪を反省している人間が「復活の儀式」や「ドラえもん」とどうして言えるのか。
それを法廷で言わせた弁護団の語る「被告の反省」を信用することができるのか。

理性の存在を懐疑している弁護団が反省の言葉の意味を正しく理解しているとは思えない。
弁護団の言う「反省」の言葉は極めて詐術的で欺瞞的だ。
反省だけではない。真実という言葉もそうだ。
弁護団は被告の言う「復活の儀式」や「ドラえもん」の供述を真実であるとした。
その真実の立証に全力を挙げたが、それは不誠実で悪趣味な弁解の戯言であって、
およそ真実からは遠く、命の尊厳を踏み躙り、法廷を侮辱し、被害者や本村さんご遺族に対する冒涜だ。

あの供述を真実だと言い張る弁護団は、真実の言葉の意味を理解してないか曲解しているとしか言いようがない。
被告の証言したままが真実であるとする弁護団の主張は不当で、その真実の主張は欠片ほども説得力がない。
問題なのは、弁護士にとって真実とは何かということもあるが、
それ以上に誰をも説得できる真実を追求して明らかにしようとしなかった弁護士の態度にある。

弁護士が理性を信じている人間であれば、
被告に接見した際に、被告が犯した事実を理性で省みるよう促し諭さなければならなかったはずだ。
そして物事の善悪であるとか、真偽を正当に判断する能力を啓発し、体得させるように働きかけて、
教育することではなかったのか。

弁護団は事件のみならず被告の人間形成にいたるまで真実を追求しようとしなかった。
その必要がなかったのは、差し戻し控訴審が彼らにとって死刑廃止キャンペーンの宣伝の場だったからだ。
弁護団には理性の不在があった。そして反省と真実の軽視があった。
敗北するべくして敗北し、死刑廃止の宣伝も逆効果に終わった。

本村さんは以前、最後まで事実を認めて誠心誠意、反省の弁を述べてほしかった。そうしたら、もしかしたら死刑は回避されたかもしれないと会見で述べている。
この言葉は被告本人よりむしろ弁護団に向かって発せられたメッセージであると感じた。

殺された夕夏ちゃんの名前は、光市の近くにある瀬戸内海の大津島の夏の夕陽が絶景で、
その美しさに因んで命名したのだと言う。
この場所に夕夏ちゃんを連れてきて、名前の由来を教えてあげることができなくて残念だと言っていた。
時は2012年。夕夏ちゃんは中学生に成長し校庭を走り回り友達と楽しく過ごしていた違いない。
弟や妹もいたかもしれない。奥様の弥生さんも尊い命を理不尽に奪われてなかったら、
和やかに食卓を囲んで・・・このことを想像するだけで今にでも涙が溢れてくる。

一昨日、各紙一面トップで扱いまた社説を掲載したが、
東京新聞の社説が一番的を得ていると感じた。

『光市事件死刑 深い遺族の問い掛け』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012022102000053.html

東京新聞社説 2012年2月21日 光市事件死刑 深い遺族の問い掛け
(クリックすると拡大で見れます)

最後に、お二人のご冥福を祈るとともに、本村さんの偉業に感動し、心から感謝の言葉を言いたい。

天網恢恢 疎にして逃さず
法の裁きは決して国家の制度に物象化されない。


このことを改めて学ばせていただきました。

本村さん、そしてご遺族の皆さま、4700日本当にお疲れ様でした。


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category: 【 随筆的なサムシング 】

thread: 日々のつぶやき  -  janre: 日記

tag: 本村洋  事件  少年法  死刑制度 
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コメント

こんばんは、Bergamotさん。

…人の命に重さというものがあるのなら、本当にそれは平等であるべき
なのか、ものすごく考えさせられました。
私個人の考え方ですが、それは年齢や発育環境によって左右されるものでも、
それを弁護する饒舌な法用語に左右されるものでもないような気がします。
もしそれを斟酌するものがあるとすれば、罪を犯した人間の心底の改悛の情、
それに尽きるのかもしれない。そうでなければ、心を持たないただの冷酷な
マシーンに過ぎませんもの。そこに平等という概念が必要なのか?私は
そう考えています。
13年という月日の中には、もしかしたらその情を得る機会だってあったかも
しれない。けれどその機会を陳腐な言葉で言い逃れをする段で、弁護側も
被告も平等という言葉を使う権利さえないのでは、そうも感じています。
国民一人一人が裁判に関わる可能性を得た今日、「罪」も「罰」も、対岸の火
ではないのでしょうね。



宗流 #- | URL | 2012/02/23 20:30 | edit

いまこちらではFirmの続編というべきものがTVドラマ化されて放映中なのですが、好きなJuliette Lewisが出ているので毎回DVR録画して観ています。あれなんて、まるでゲーム感覚みたいな感じになってきます。どんな弁護が有効で現実的なのかとか最初っから決めてる感覚がね。事実と証拠をどうやって上手く使うと自分の欲しい結果に結びつけかれるか、とか。どうやったら陪審員の同情をかえるか、とか。何が正しくてなにが間違ってるかは後回しですもんね。実際の法廷もそうなんだったら嫌だなぁと思うんだけど…。でもOJ Simpsonみたいなことも実際起こるからなぁ…。

ちなみにメイン州には昔から死刑制度はありません。

LimeGreen #- | URL | 2012/02/23 22:46 | edit

13年前はいろんな面で本村さんに冷たい法廷でしたよね。

あの元少年の手紙には腹わたが煮えくりかえるほどでした。
あれだけのことをしたのに、顔も名前も出さない。

13年も経ったとは・・驚きでした。

本当に本村さんはいつも毅然として立派でした。
少しでも心が安らぐといいですね。

yukari #- | URL | 2012/02/23 23:30 | edit

Re;宗流さん

お返事遅くなりました。
本村さんの「勝者なんていない。犯罪が起こった時点でみんな敗者なんだと思う」
という言葉が印象に残ってます。
何度も何度もその正しさを、気が遠くなるほど自問自答し続けてきたのだろうと思うと
13年間闘ってきてのこの言葉、非常に重いものがありますね。

Bergamot #- | URL | 2012/02/25 02:27 | edit

Re;LimeGreenさん

お返事遅くなりました。
そのFarmってドラマは、前作トム・クルーズ主演の映画でしたっけ?
CSのANXでやっていると思いますが・・・違うかなあ。
OJ Simpson、日本でも連日、裁判の行方をワイドショーでやってました。
確か無罪判決でしたよね。
え?アメリカって全州に死刑制度あるかと思ってました。

Bergamot #- | URL | 2012/02/25 02:45 | edit

Re;yukariさん

お返事遅くなりました。
事件が起こったのが1999年。
足かけ13年に渡り、本村さんは犯罪被害者の感情を正直に、
かつできるだけ多くの人に伝わるように、
そのつど自分なりの言葉を探しながら自分の主張を続けてきました。
そして、時の大臣を動かし、国を動かし、法律改定までやってのけた。
ずっと年下ですが、尊敬に値する人です。

Bergamot #GTh2ANWE | URL | 2012/02/25 03:00 | edit

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